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科目 ★専門事例(地球市民と政治) 
開講科目群 地民 
履修 選択 
年次 2~4 
単位
開講科目ID GLSH3100 
開講期・曜日・時限 後期 金曜日 2時限
後期 金曜日 3時限
教職課程との対応  
教員氏名

山本 達也(ヤマモト タツヤ)

備考  



授業テーマ
Course
Theme
本講義のテーマは、「ポスト・グローバル化時代と形容されるような地球社会の現状と課題を政治学的な側面から理解する」ことにある。そのことを通して、同時に、望ましい未来への変化に向けたグローバル・シティズンの役割についても考えていく。

具体的には、米中対立、パンデミック、気候変動問題、エネルギー問題、グローバル・サウス論、カウンターデモクラシー論、サイバー・セキュリティ論、脱成長論など、現代の地球社会が直面している「最新」のテーマを軸として、国際政治・国内政治の両方の視点から2020年代の地球社会の現状と課題を理解し、グローバル・シティズンとしての役割について検討していく。 
授業概要
Course
Outline
冷戦が終結した1990年代以降、世界は「グローバル化」の時代に本格的に突入したと言われてきた。確かに、ヒト・モノ・カネ・情報の国境を越えた動きは、この時期、急速に拡大していった。

ところが、2008年の世界金融危機(いわゆる「リーマンショック」)を経て、2010年代に入ると、徐々に様相が変わってきたように思われる。アメリカを含めた先進民主主義国が「低成長」を余儀なくされる中、中国やロシアなどの非民主主義国が世界経済に与える影響が大きくなっている。国家を超越した「統合」の象徴であったEUから、イギリスは「離脱」してしまった。

また、アメリカのトランプ大統領は「アメリカ・ファースト主義」を掲げ、自由貿易の枠組みを原則としない動きを見せると共に、気候変動に対処しようとする「パリ協定」からの離脱も表明した。2020年のアメリカ大統領選挙期間中には、「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動も起き、人種差別問題の再燃と共に、アメリカ国内での「分断」状況がクローズアップされることになった。

その間、世界規模でも、国家規模でも、経済的格差は増大し続け、「持たざるもの」の不満が各地でデモ活動という形で表出している。そこにやってきたのが、2020年の「新型コロナウイルス」パンデミックである。こうした状況が世界に引き起こしている変化は、もはや単純な「グローバル化論」では説明が難しい。

本講義では、こうした現状をどのように理解したらよいのかという点について、主に政治学や国際関係論の知見を手がかりに検討していく。 
学生が授業内で
PCを使用する科目
no 
実務経験のある
教員による科目
no 
実務経験との関連
(経験ありの場合のみ)
英語で授業を行う科目
Whether this class will be
conducted all in English (yes/no)
no 
課題解決型学習を取り入れている科目
Problem-solving learning method
is used in class (yes/no)
no 
討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている科目
There are discussions/debates
in class (yes/no)
yes 
グループワークを取り入れている科目
There are group works in class
(yes/no)
no 
発表(プレゼンテーション)を取り入れている科目
There are presentations in class
(yes/no)
no 
フィールドワーク、実習、実験、実技を取り入れている科目
There are
fieldworks/training/experiments/
practices in class (yes/no)
no 
到達目標
Aim/goal
・「ポスト・グローバル化時代」と呼ばれる地球社会の特徴と課題について政治学や国際関係論の理論も踏まえた上で理解できるようになる。

・地球社会が抱える諸問題に対して、わかりやすい「表面的な解決」で満足することなく、学問的な視点から本題の本質を捉えようとする知的探求のアプローチ方法と枠組みへの理解を深める。

・「Think Globally, Act Locally」の視点を軸に、地球社会が抱える諸問題を解決していく上でのグローバル・シティズンの役割について自身の見解を第三者と議論できるようになる。 
授業計画
Course Plan
第1回 ポスト・グローバル化の地球社会:グローバリゼーションの時代は、すでに終焉を迎えているのではないか? 
第2回 「Gゼロ」時代のグローバルリスク:アメリカが「世界の警察官」を辞めると世界に何が起きるのか? 
第3回 パンデミックに揺れる地球社会:新型コロナウイルスは世界の何ををどう変えたのか? 
第4回 「民主主義の後退」論:民主主義はすでに魅力を失ってしまったのか? 
第5回 カウンターデモクラシー論:ネット時代のデモ活動をどう評価するべきか? 
第6回 ソーシャルメディアと民主主義:インターネットは民主主義の敵なのか味方なのか? 
第7回 サイバー・セキュリティをめぐるジレンマ:安全とプライバシーのバランスをどのようにとるべきなのか? 
第8回 米中の対立と日本の選択:2つの大国にはさまれた日本は、どんな選択をするべきなのか? 
第9回 エネルギーをめぐる構造的変化:再生可能エネルギーと電気自動車で明るい未来はやってくるのか? 
第10回 グローバル・サウス論:なぜいつまでたっても「格差」と「貧困」は、なくならないのか? 
第11回 「脱成長論」をめぐる政治運動:「緑の経済成長」と「SDGs」は、本当に気候変動を克服できるのか? 
第12回 ミュニシパリズム運動と地方の可能性:「行き止まり」の解決のカギは地方にあるのか? 
第13回 「成長の限界」後の地球社会と民主主義:「困難な時代」におけるグローバル・シティズンの役割とは何か? 
授業以外の学修
What Students
are expected
to do
outside of the class
授業に関連する「課題文献」を各回ごとに指定する。履修者は、授業開始までに「課題文献」を読んだ上で、「授業前課題」に対する自身の見解を用意しておくことが求められる。

本講義は、2コマ続き(4単位)の科目として提供される。特に2コマ目は、クラス内でのディスカッションを中心に講義が進められる。履修者は、「課題文献」を中心に、クラス内でのディスカッションが十分にできるよう用意しておくことが求められる。 
評価方法
Evaluation
授業前課題の内容と提出状況(30%)授業内ディスカッションへの参加度や貢献度などの平常点(30%)、課題レポート(20%)、授業内小テスト(20%)の総合評価とする。

また、授業内で使用した動画資料等に対する感想・コメントシートなど授業中の提出物は基本的に平常点の一部であるが、特に熱心なものについては平常点への加点の対象とする。 
課題(試験やレポート等)に対する
フィードバックの方法
Feedback methods on assignments
Googleクラスルームのコメント機能を通したフィードバック及び、授業内における口頭でのフィードバックを行う。 
履修前提要件
Prerequisites
履修にあたって、特に政治学や国際関係論に関する前提知識は問わない。関心があって、意欲がある学生であれば、誰でも履修可能である。ただし、授業全般を通して「国際ニュース」に関連する事柄を扱うことになるため、新聞の「国際面」等、日頃から国際ニュースに目を通す習慣をつけておくことが望ましい。 
関連する
ディプロマポリシー
使用テキスト
Textbook
to be used,
if any
必ず読まなければならない本や文献(購入する必要はないが、図書館等で参照を要するテキスト)Required books or materials (No purchase necessary, but students need to refer to them at places like libraries.)
読むことを推奨する本や文献(購入する必要はないが、図書館等で参照を要するテキスト)Recommended books or materials, if any. (No purchase nesessary, but students need to refer to them at places like libraries.)
テキストに
関する
連絡事項
Remarks
concerning
the text book,
if any
課題文献については、Googleクラスルームを通して、事前にダウンロードできるよう用意する予定である。PDFファイルでの配布を予定している。必要に応じてプリントアウトするなどして、対応されたい。 
更新日付 2021-01-02 17:03:28.017


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