授業テーマ Course Theme
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「翻訳(translation)」と「翻案(adaptation)」――アメリカ女性文学の古典と大衆文化の交点を探る比較メディア文化研究
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授業概要 Course Outline
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アメリカ女性文学の「古典」に位置づけられるルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』(_Little Women_, 1868)はこれまでに様々な言語に「翻訳」がなされ、様々なメディアに「翻案」されてきた。2019年には、先鋭的な作品で知られる女性監督、グレタ・ガーウィグにより『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が新たに制作され、再び作品に注目が集められている。19世紀の古い時代に生きる四姉妹の物語を今、どのように読みかえることができるのか。そして、翻案作品の変遷を通して、それぞれの作り手の作品に対する解釈、時代が求める要素、メディアの特質などが浮かび上がってくる。 具体的には、映画では、ジョージ・キューカー監督による1933年版、マーヴィン・ルロイ監督による1949年版、ジリアン・アームストロング監督/ウィノナ・ライダー主演による1994年版などが有名であり、さらに現代に物語を設定し、再解釈を施した2018年のテレビ映画版などもある。 日本でも、様々な形で親しまれてきた作品であり、1964年には森永健次郎監督による映画『若草物語』(日活)では、高度経済成長期の日本に生きる若い女性たちの恋愛・結婚観を描く物語として翻案されている。定評ある「世界名作劇場」として放映されたテレビアニメ版(1987)、および続編『愛の若草物語 ナンとジョー先生』(1993)では、それぞれ40話をこえるエピソードを通してじっくり日常生活と歳月の流れを描く。ほか、ミュージカル版に至るまで多岐にわたり継承されてきている。 本授業では『若草物語』の翻訳版をテキストに設定し、比較文学の観点から作品研究を行う。時代を越えて、メディアを越えて、様々な翻案作品をもたらしてきているこの作品の時代を代表する映像翻案作品をあわせて検討することにより比較メディア論としての側面に力点を置く。さらに後世の作品との連関にも目を配る。翻訳論・翻案論も随時、参照する。
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学生が授業内で PCを使用する科目
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実務経験のある 教員による科目
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実務経験との関連 (経験ありの場合のみ)
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英語で授業を行う科目 Whether this class will be conducted all in English (yes/no)
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課題解決型学習を取り入れている科目 Problem-solving learning method is used in class (yes/no)
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討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている科目 There are discussions/debates in class (yes/no)
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グループワークを取り入れている科目 There are group works in class (yes/no)
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発表(プレゼンテーション)を取り入れている科目 There are presentations in class (yes/no)
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フィールドワーク、実習、実験、実技を取り入れている科目 There are fieldworks/training/experiments/ practices in class (yes/no)
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到達目標 Aim/goal
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・「翻訳」「翻案」の観点から、比較メディア文化論の方法論を身につける。 ・アメリカ文学・文化の観点から、英米文学および比較文学の方法論を身につける。 ・「コメント」(リアクションペイパー)演習やレポート課題作成を通じて、表現力を身につける。
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授業計画 Course Plan
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第1回
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ガイダンス――「翻訳(translation)」と「翻案(adaptation)」
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第2回
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オープニング――「4姉妹の物語と南北戦争期の時代背景について」
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第3回
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児童文学としての受容史
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第4回
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日本における「翻案」受容史――『小婦人』(1906)~テレビアニメ『愛の若草物語』(1987)
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第5回
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女性のライフコースをめぐって――続編の位置づけ
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第6回
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家族像をめぐって
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第7回
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1994年映画版の比較検討
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第8回
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1949年映画版の比較検討
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第9回
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1933年映画版の比較検討
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第10回
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テレビアニメ『愛の若草物語』(1987)におけるオリジナル・エピソード
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第11回
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女性の成長と成熟の物語として
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第12回
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日本での『若草物語』受容の継承と発展――日活映画『若草物語』(1968)
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第13回
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スピンオフ的再創造の物語――映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)
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第14回
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現代の物語としての再創造――TV映画『若草物語』(2018)
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第15回
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総括 ――「翻訳」と「翻案」――メディア比較文化論の可能性
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授業以外の学修 What Students are expected to do outside of the class
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事前にテキストの指定された箇所を読了しておくこと。
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評価方法 Evaluation
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毎回の授業時に、その回の授業内容に関するコメント(リアクションペイパー)を求める。このコメントの蓄積を平常点とする(評価割合:60%)。 受講生が素材を自ら選び、批評的分析を試みる「レポート」課題を課す(評価割合:40%)。
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課題(試験やレポート等)に対する フィードバックの方法 Feedback methods on assignments
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履修前提要件 Prerequisites
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「翻訳」をテキストとして用い、映像翻案作品を主に素材として扱うことを主眼としますので、英語英文学科に限らず、児童文学を含めた比較文学比較メディア論に関心を抱くあらゆる受講生を歓迎します。
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関連する ディプロマポリシー
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使用テキスト Textbook to be used, if any
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番号
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著者 Author
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書名 Title
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出版社 Publisher
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ISBN
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定価 Price
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備考 Remarks
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1.
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オルコット、麻生九美訳
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『若草物語』
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光文社文庫
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978-4334753634
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1386
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必ず読まなければならない本や文献(購入する必要はないが、図書館等で参照を要するテキスト)Required books or materials (No purchase necessary, but students need to refer to them at places like libraries.)
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番号
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著者 Author
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書名 Title
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出版社 Publisher
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ISBN
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定価 Price
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備考 Remarks
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1.
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Alcott, Louisa May
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『Little Women』
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Penguin Classics
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978-0140390698
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2.
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高田賢一編
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『若草物語(もっと知りたい名作の世界)』
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ミネルヴァ書房
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9784623043675
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20000
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読むことを推奨する本や文献(購入する必要はないが、図書館等で参照を要するテキスト)Recommended books or materials, if any. (No purchase nesessary, but students need to refer to them at places like libraries.)
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番号
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著者 Author
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書名 Title
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出版社 Publisher
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ISBN
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定価 Price
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備考 Remarks
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1.
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ガーウィグ、グレタ
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『グレタ・ガーウィグの世界 ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
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DU Books
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978-4866471150
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4180
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テキストに 関する 連絡事項 Remarks concerning the text book, if any
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テキストとして翻訳版『若草物語』(麻生九美訳、光文社古典新訳文庫)を指定し、毎回の授業で用います。
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更新日付
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2020-02-22 14:14:06.657
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